Q-MHzのアルバムがすごかった話
Q-MHzさんのアルバム『Q-MHz』が発売されました。
畑 亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也の四氏が組んで作詞作曲をし、LiSA、小松未可子、鈴木このみ、東山奈央、南條愛乃をボーカリストに起用、と聞いた瞬間に「なにそれすごい」であり速攻予約完了してました。
で、届いたのでさっそく聴いたんですが。さあてどうしよう、これを文字で語るのはえらいこっちゃで、というのが最初の感想。
微に入り細に入り、とやりだすと全曲解説しかなくなるので、今日のところはとりあえず概念的な話で。
思いついたワードを並べると『いろんな意味で攻めまくり』『採算度外視』『オートクチュール』『化学反応の結果の結晶というか宝石』
とにかくエッジの立った曲達。一聴して聴いただけでテクニカルな曲もあれば、耳障りがよくさらりと流れてしまいそうなバラードに仕込まれた丁重な旋律。
音圧が高いのではなく、音が厚い。腕利きのアーティストを濫用するのではなく、この人の音がここに欲しい、という時に投入。
それらの曲は、ボーカリストひとりひとりのためだけに作られた、まさにオートクチュール。いま、この人に、歌って欲しいという想いで生まれてる。そこには職業作詞作曲家として聞き手のことを考えつつ、いちアーティストとしての欲がちゃんとあって、そのせめぎ合いが、クライアントがいる仕事ではなかなか出せない色となってる。
そしてただ歌わされるだけでなく、自分なりの色をちゃんと入れて歌うボーカリスト陣との組み合わせで、掛け値なしにオンリーワンな『歌』になってる。
もっと概念的な話をすると、『ちょいと喧噪が大きめのアニソン街――その街の大通りから路地一本入ったところにある、一見普通の一軒家。しかしここは、とびきりのシェフが旬の食材のみを使って、そのとき限りのメニューを出す秘密の料理店だったのです!』みたいな(長い
いやね、本当にすっごい美味い料理を出す料理店のそれなんですよ。Q-MHzのシェフ達は、ボーカリストという素材をとにかく最高においしく食べて(聴いて)もらいたいがために知恵を絞り技術をつぎ込み、最高の料理(歌)を作りだす。一皿目から美味い、最後まで美味い。
でも、次に来たときに同じものが食べられるか? と言えばたぶん「いやー、あの素材季節が変わったから味が変わって。また別の料理法見つけます! あと新しい素材も見つけてきました! だから前のは出さない(真顔」ってなりそうでな。
いやぁ、トイズファクトリーさんこんな酔狂な企画通してくれてありがとうありがとう。ごちそうさまです!
参加ボーカリストのファンの人は、絶対に買うべきです。あなたの知らない彼女達が、ここにいます。しかも彼女達がまとう服は見慣れてないはずなのに、とってもしっくりくるものです。
特に参加ボーカリストのファンじゃないしなー、という方は……これ聴いたら「○○さんにも曲提供してくれ!」ってなると思います。嫉妬しちゃうんじゃないかなー。少なくとも私はQ-MHzさんの曲で歌って欲しいなって気持ちになった人が思い浮かびましたよ。
#全曲紹介もいつかやりたい